<分かりやすい味の日本酒を好む米国消費者> より抜粋
ゴントナー氏は「近年、米国での日本酒の消費は伸びている。推測だが、米国への輸入登録をしている日本酒は1,000種類ほど。そのうち、実際に流通しているのは500種類ほどと思われる。ニューヨークだと300種類は簡単に手に入る。
また、米国では、清酒は大関、月桂冠、タカラ、八重垣、桃川の5社がカリフォルニア州やオレゴン州で現地生産している。合計生産量は1万6,000キロリットルで、米国に輸入される日本酒の4倍弱だ」という。
そして、ゴントナー氏は米国の消費者の特徴として、「米国人は分かりやすい味が好きだ。それはワインやビールも同じだ。日本酒なら、吟醸香のあるもの、にごり酒、生酒などだ。現状ではあっさりした味はまだあまり好まれない。『酒歴』が進むと、そうした味もいいな、と感じてくるが、米国ではまだ歴史が浅いことが関係しているかもしれない」という。
また、「日本酒を理解するためには、言葉の問題が大きい。米国人は日本の文字が読めない。大吟醸(Daiginjo)とか純米(Junmai)と書いてあっても意味が分からない。その解決方法の1つとして、それぞれの銘柄に英語のあだ名を付けるという手もある。
南部美人はサザン・ビューティー(Southern Beauty)となる。これは非常に効果的。もともと1社がやっていたが、最近増えてきた。自分は当初、日本酒の格調が薄れるので反対していたが、やはり米国人は日本語をなかなか覚えられない」とプロモーションの難しさも指摘した。
今後の方向性としては、「米国で日本酒は定着したので、消費量が一定以下に下がることはない。問題は為替だ。また、小売店舗ではワインを置くスペースは広いが、日本酒は狭く、競争が激しい。しかし、今後、5〜10年で日本酒の消費はさらに伸びていくので、これは解決するだろう。今後とも日本酒に関する教育、啓発活動をしていく必要がある」と語った。
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