冷凍野菜の輸入量の推移を財務省「貿易統計」でみると、平成元年の冷凍野菜の輸入量は  334,616 トンであった。中国産の冷凍ほうれんそうの残留農薬問題が発生した平成 14~平成  15 年にかけて、輸入量は落ち込みを見せたものの、平成 24 年には、970,966 トンとなり、平  成元年に比べ約 3 倍に増加している。
 · ブロッコリー  ブロッコリー(冷凍)の輸入量は 36,059 トンである。なお、今回のアンケート調査の回答  企業の取り扱い数量は 25,045 トンであり、輸入量全体の約 69%を占めている。ブロッコリー  (冷凍)の輸入量を国別に見ると、中国が 19,940 トン、エクアドルが 13,636 トン、メキシコ  が 1,661 トン、グアテマラが 601 トンとなっている。  アンケート調査の販売先の構成割合をみると、「食品卸売会社」、「弁当・惣菜」、「百貨店・量  販店・CVS」への販売比率が高い。  ヒアリング調査によると、他の品目に比べて南米からの輸入が多くなっており、このうち、  エクアドルでは、標高が高く病害虫が少ない地域で栽培されており、花蕾への異物混入も少な  く、品質の良いものが輸入されている。ブロッコリーは、カットしてそのまま冷凍したものが  「冷凍ブロッコリー」として輸入されている。
 · 今後の冷凍食品の市場は、単身世帯や高齢者世帯の増加、女性の社会進出等に伴う、いわゆ  る時短調理ニーズや食の簡便化志向、個食化の進展等を背景として、引き続き堅調に推移する  ことが見込まれる。
 · 海外産地の動向  ・冷凍食品の野菜原料の調達に関して、低価格、安定調達、きめ細かなロットや栽培管理への  対応、人員確保等の面で、引き続き中国に競争力上の優位性があること  ・栽培履歴や調達ロットの管理・特定を適切に行う必要性が高まっているため、中国も含めた  調達先国や主要産地において、大ロットでの原料生産と製品製造の必要性が高まっているこ  と  ・フライドポテト用のばれいしょとして、ラセットバーバング種という特徴ある品種の栽培が  行われている米国やカナダから多く輸入が行われていること  ・主要な輸入先の中国について、最近の円安や人件費コスト等の上昇に伴い、一部の品目につ  いては国産品との価格差の縮小の動きもみられこと、さらに、他の輸入国先の開拓も含めて、  中国から他の輸入先国への調達先の多元化・多様化の動きもみられること  ・いわゆる中国産の冷凍餃子の農薬混入事件以降、原料生産や製品製造における安全・安心の  取り組みが、中国の産地や製造工場、国内のメーカー等において強化されるとともに、この  取り組みが品質等競争力の向上につながっている面もあること
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